恐ろしいあの「四谷怪談」のあらすじをおさらい
日本で有名な“怪談”といえば、「四谷怪談」。ご存知「お岩さん」の悲劇です。タイトルに‘四谷‘とつくだけあり、現在の新宿区四谷と関係しているお話であることになります。

四谷怪談は、すでに妻がいながらもお金に目がくらみ、他の女性と結婚することを決めてしまった伊右衛門という男性と、伊右衛門の妻であるお岩さんの物語です。伊右衛門は他人を介し、顔がただれる薬を妻であるお岩さんに盛らせ、結果お岩さんは自分の顔を見て発狂し、誤って自分に刀を刺し、死んでしまうという哀しいお話です。お岩さんは死んでしまった後も、旦那の伊右衛門を祟り、憎しみからか毎晩枕もとで「うらめしや、うらめしや」と言い続けていたというのが一番記憶に残っているシーンではないでしょうか。
実際のお岩さんは良妻賢母な女性であった?
こんなひどい夫であれば祟りが起こるのも納得…と思いつつ、幽霊として登場するお岩さんにも怖い印象を持つのは無理もありません。しかし、現実のお岩さんはとても“いい人”だったそうで、お岩さんと伊右衛門も本当はとても仲の良い夫婦だったのだとか。武士であった伊右衛門の稼ぎがよくないときには、お岩さんが自らお金持ちの家に奉公に出て、生活を支えたと言われています。奉行中もお岩さんは近くの稲荷神社へ行き、早く2人一緒に暮らせるようにと熱心に拝んでいたそうです。お岩さんの奉行の頑張りぶりが認められてからは、伊右衛門が出世できるようお岩さんが働いていたそのお屋敷の人が取り計らい、2人は幸せに暮らしたというのが実際のお話、と言われております。しかし、さらに調べれば、お岩さんと伊右衛門については諸説あるようです。伊右衛門のロクデナシ話は本当であり、実際は夫婦円満だった、という話が、家名を守るための作り話である、という説まであるようで、本当のところは何もわからないということなのでしょうか。
「東海道四谷怪談」は江戸の人間にうけることを狙った創作
ではなぜこんなお話が生まれたかというと、鶴屋南北の歌舞伎狂言「東海道四谷怪談」はお岩さんが亡くなった200年後、幕末に近いころに作られました。お岩さんの名前だけを借り、江戸時代に起きた様々な事件を台本に取り込み、出来上がったと言われています。また、「東海道四谷怪談」は、赤穂事件を基にした「忠臣蔵」と、表裏一体で歌舞伎の演目として上映されました。当時、表話と裏話を交互に上演した手法が斬新で大ヒットに繋がりました。

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これだけのわかりやすいストーリーが背景にある神社ですので、一度参拝されてみてはいかがでしょうか。商売繁盛を信じて行くもよし、あるいは縁切りを信じて行くもよし。実際のお岩さんがどのような人だったかはわかりません。しかし、四谷怪談に出てくるあの有名な女性と関係の深い神社だと思えば、足を運ぶきっかけになるのではないかと思います。