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常連以外の若いお客さんも歓迎の街へー神楽坂から移転した若き商店会長

荒木町の一番新宿寄り、杉大門通りに抜ける道のビルの2階にある地ビールバーが「まる麦」。店主の那須正樹さんはまだ40代ですが荒木町商店会長を務めています。

多くの常連のおかげでみつけにくい路地裏の店も繁盛している荒木町一帯ですが、若い、新しいお客さんを呼び込む活動も5~6年前から商店会では実施していて、那須さんがその中心にいます。

那須さんは千葉県出身。調理師学校を出た後、和食の店を経て神楽坂で親の経営する喫茶店を切り盛りしていましたが、人を使わずに一人で店をやりたい、そのために小さな物件を探していて、今の場所に巡り合ったそうです。

地ビール以外は飲み物なし。地ビールの研究は欠かさない

飲み物は地ビールしか出しません。ソフトドリンクもなし。もともとビール好きではあったのですが、以前住んでいた要町にあったイギリス人が経営するパブで地ビールの奥深さを知り、ハマっていったそうです。

そこで知ったIPA(インディア・ペールエール=かつてイギリスが植民地にしていたインドに向けビールを製造、輸出するのに、防腐効果のあるホップを大量に入れたらおいしいビールができた、という逸話からくる製法に基づくイギリスのビール。ホップをIPAの半分くらいにしたものを、航海の中間地点までしか防腐効果がない、という意味からアフリカ・ペールエール=AFPAとも呼ぶ)などのこだわりビールも提供しています。

好きな地ビールは伊勢角屋という三重県のメーカーのもの。あとは地ビール元祖の新潟産や、長野産がお気に入りとか。

「タップが5つしかないので」提供できるビールも5種類。以前はお客さんの要望に応えるために大手メーカーのものも1種類仕入れていたのですが、今では5種の地ビールのみを扱っています。もちろん、まずは自分で飲んでみてから仕入れているのは言うまでもありません。

料理人としてのキャリアもあるので、食べ物メニューも少ないながらおいしいものばかり。珍しいのは「喫茶店風ナポリタン」ですが、「本当はやめたいんですけど、これをアテにしてくれている固定ファンの人がいるんで、なかなかやめられない」と、さすが人情の街、荒木町らしいお店です。

他人に迷惑かけないなら寝てても気にしない。でも野球シーズンは寝てられないかも

「うちでは、他人に迷惑かけなければ何やってもいいよ、って言ってるんです。仕事して飲むもよし。ずっと寝ててもいいです。酒乱だけはお断りですけど」

野球好きで、店内のテレビでは大きな試合はよく流すそうですが、贔屓のチームというのは特にないそうです。那須さん曰く「12球団対応」。

ではお客さんは?と聞くと、「千葉ロッテマーンズ、埼玉西武ライオンズがちょっと多いくらい。常連で巨人(東京ジャイアンツ)ファンはお一人しかいないですね」

東京のお店でこれは意外。街の風情は昔のままでも人の好みは今の時代に合致しているんですね。

自ら「内に籠るタイプのオタク」と称する那須さんですが、「グラスが空いていても、無理に薦めたりはしません。自分のペースで飲んでもらえればいい」という人柄に惹かれた常連さんとの穏やかな時間が流れている心地いいお店です。

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Tadaima Japan Editorial Team