日本の伝統食、そば
そばは日本人には大変なじみのある麺類です。そばの実を挽いたそば粉からつくられるその麺は独特の茶色をしています。小麦粉とそば粉の配合具合により更科そばや二八そば、十割そばなどといった呼ばれ方をすることもあります。麺つゆはかつおだしベースの醤油味がスタンダードですが、地域によって異なるようです。年越しそばや引っ越しそばなど、慣習的に食卓にのぼることもある立派な日本の伝統食です。
江戸時代の屋台とそば
そば食は江戸時代に大衆の支持を得て現代にもその人気が続きます。江戸時代には屋台食がさまざまあり、日本が誇る天ぷらやすしも江戸時代にはこの屋台で食べられていました。

なぜ、江戸時代に屋台が流行ったのでしょうか?まず、江戸の街には単身の男性が大勢住んでいたといわれます。彼らは都市建設の労働要員や参勤交代で赴任をした侍たちでした。料理をしない独り身の男性には、いつの時代もファストフードが強い味方なのかもしれません。そして、木造の長屋がとなりあう江戸の街では火事が絶えませんでした。こうした家屋の中で調理をすることは火災のリスクが大きかったため、屋台が利用されたとも言われています。それから、江戸っ子といえば気が短い。作りたての料理がすぐに出される屋台は彼らの気性にもライフスタイルにも大変合致していたといえるようです。
屋台文化の中でも“そば”は現代の東京人にも愛されるファストフードとして引き継がれています。ここでは早い、安い、うまいをモットーにする屋台的なそばをファストそばと呼んで紹介していきますね。
どこへ行けば、ファストそばは食べられる?おすすめは小諸蕎麦、ゆで太郎、嵯峨谷
江戸っ子はそばが大好きですから、東京23区内であれば、ファストそばのお店はそこここにあります。特に駅の周辺には多くなっており、駅構内にあるお店もあるほどです。電車の乗り継ぎ途中に立ち寄ることができる、まさにファストフードです。

そしてお値段もとってもお財布にやさしい。もりそばやかけそば単品ならば300円~400円程度でいただけます。
しかしながら難点が一つ。平日のお昼休みはビジネス街にあるお店ではサラリーマンでごった返します。ピーク時はゆっくりお店に滞在することはかないません。ものすごい勢いでお客さんは回転しますので、初めて挑戦する方はお昼の時間帯を少し外してみるといいかもしれません。
チェーン展開をするファストそば店、私のおすすめは小諸蕎麦、ゆで太郎、嵯峨谷です。
どうやってオーダーするの?まずは食券を!
多くのファストそば屋さんは入り口付近に券売機を置いてあります。こちらを購入して店内のカウンターへ提示をするのが一般的なやり方です。

そして必ず覚えておいてほしいのが、もりとかけです。簡単に行ってしまえば、もりは冷たいそばで、かけは温かいおそばです。店舗によってはこの名称でしか券売機に表示がない場合があります。


その他にかき揚げや天ぷらなどさまざまなトッピングを選ぶことができます。また、そばは腹持ちがあまり良くないので、丼ものがセットになったメニューを提供しているお店も多くあります。店舗ごとに季節の食材や流行りの食材を取り入れたりと工夫がありますので、いろいろ試してみてくださいね。
夜のファストそば店、生ビールが驚きの値段!
昼間はサラリーマンで盛況なファストそば店ですが、夜はというと少しゆったりした時間が流れます。中生ビールを一杯150円ほどで提供するお店まで!こちらはおそばと一緒に注文することが条件です。そんな太っ腹なお店が人形町のはせ川。ヱビスビールが一杯150円です(2016年9月現在)。
石臼挽き十割蕎麦 はせ川
- 住所:東京都中央区日本橋人形町3-7-13 マック人形町ビル1F
- アクセス方法:東京メトロ日比谷線、都営浅草線人形町駅から55m
- 営業時間:24時間営業の予定ですが当面は23:00終了(LO 22:30)
- 定休日: 日曜営業
- ウェブサイト:https://tabelog.com/tokyo/A1302/A130204/13198705/
旅行中は外食がどうしても増えますが、毎回レストランというのもお金がかかるし、コンビニも味気ない。そんな時はぜひとも江戸っ子の定番“ファストそば”に挑戦してみてくださいね。
ゆっくりとそばを味わいたい方にはこちらの浅草にある老舗並木藪蕎麦がおすすめです!
http://jp.tadaimajp.com/2015/09/soba-shop/