【CONTENTS】
京都の民家の玄関でみかける飾り、これは何?
玄関にちまきが飾られるのは何のため?
ちまきに込められた伝説と願いとは?
京都の民家の玄関でみかける飾り、これは何?
京都の町並みを歩くと、民家の玄関の上に藁でできた箒のような形のものが飾られているのを目にします。どこかで見たことのあるような形ですね。そう、ちまきです。

ちまきは、もち米や米粉で作ったお餅を笹の葉や竹の皮などで、円錐形や三角形に巻き上げて蒸した、お菓子です。
日本では、5月5日の端午の節句の日に、柏餅と共に邪気をはらうために食べる風習があります。端午の節句は、男の子の節句で、男児の健やかな成長を願い、五月人形や鯉のぼりを立てて、お祝いをします。

玄関にちまきが飾られるのは何のため?
京都の玄関で見かける”ちまき”、実は祇園祭に深い関係があるんです!
祇園祭でひかれる山車の一種である山鉾(やまほこ)は、古今東西の装飾品で飾られ、「動く美術館」ともいわれます。その山鉾を装飾品で飾る場所が、各山鉾の近くに建つお会所です。ちまきは、毎年祇園祭(京都八坂神社のお祭り7/1~7/31)の期間に、お会所や八坂神社で販売されます。

祇園祭のちまきは、形は同じでも厄除のお守りの護符なので、食べることはできません。厄除・災難除けのお守りとして、1年間玄関先に飾られます。1年を過ぎると効力がなくなるので、次の祇園祭の際、新しいちまきと交換します。

ちまきに込められた伝説と願いとは?
ちまきをよく見ると、「蘇民将来子孫也」という護符がついているのに気がつきます。
昔、八坂神社の主祭神の牛頭王(スサノオノミコト)が旅人に身をやつし、蘇民将来という男の家に、一晩の宿を求めました。蘇民は貧乏ながらも、手厚くもてなし、これに大変感謝した牛頭王は、そのお礼に子孫を末代まで護るので、その目印に芽の輪を腰につけるように伝えました。
芽の輪とは、「芽」の草を束ねて「巻」いたもので、「茅巻き(ちまき)」と呼ばれるようになりました。この「茅巻き(ちまき)」から、束状のちまきが厄除のお守りとして作られるようになりました。
「蘇民将来子孫也」の護符には、「私は蘇民将来の子孫なので、病気や災いから護ってください。」という意味があります。
山鉾にそれぞれ個性があるように、それぞれのちまきにも、桜や梅の花飾りがついているものや、お守りや絵馬がおまけでついているものなど、いろいろな種類があります。山鉾によってちまきのご利益は異なり、特に保昌山のちまきは縁結びで有名です。自分に合ったご利益を目当てに、山鉾とちまき巡りをするのも面白いですね!