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2016年日本橋アートアクアリウムの見どころ
金魚は1502年(室町時代)に日本に初めて持ち込まれました。
江戸時代初期(1600年代)、金魚は貴重品だったため一般庶民には手の届かない存在でした。
しかし江戸時代後期には、一般庶民でも飼えるようになり、浮世絵や家具・着物の柄にも金魚が描かれ、庶民の間に金魚ブームをもたらしました。
そして2016年アートアクアリウム日本橋会場のテーマは「江戸・金魚の涼」。
江戸時代に金魚を愛好した庶民文化が、花街の風景とともに現代に蘇ったかのような、華やかな非日常的“涼”世界を展開しています。
今回日本橋会場に舞い降りた金魚の数は、期間中なんと8千匹。
美しい金魚は然る事ながら、空間ごとに異なる音楽や照明も注目のポイントです!

江戸時代にタイムスリップしたかのような空間に心躍る
今回、日本橋会場で展示されているのは11作品。私も日本のお祭りを思い浮かべるカラフルな色使いの照明と装飾品に心躍り、伝統工芸が取り入れられた作品の繊細な美しさに心奪われ見入ってしまいました。

会場に入ってまず目を引くのが“大奥”と呼ばれる作品です。
たくさんの大きな金魚鉢をひな壇形式に並べてその上に更に特大サイズの金魚鉢を置くことで、多くの女性が競い合いながら上を目指していく大奥の豪華絢爛な世界を表しています。

また蓮をモチーフとしたロータスアクアリウムは、苦境や困難を乗り越え花を咲かせても、4日目には散ってしまう儚い蓮の花と、金魚の強く生きようとする生き様を重ねた美しくも切ない優美な世界観を感じられる作品です。

その他にも日本の伝統的な行燈(蝋燭・油などを利用し室内で使用されていた照明)をモチーフにした“アンドンリウム”や手毬をモチーフにした“手毬リウム”、金魚が泳ぐ屏風型水槽に映像を投影して物語を作り出す“屏風リウム”など、一つ一つの作品に魅力がいっぱいです。
どの作品にも歴史や文化、伝統など日本らしいと感じる要素があり、老若男女問わずお楽しみ頂けます。

金魚が魅せる、華麗で妖艶な舞いに酔いしれる
そして今回の目玉作品が“超・花魁”です。この作品はアートアクアリウム史上最大の作品となり、花魁を目指す遊女が遊郭で生きる世界を巨大金魚鉢で表し、最高峰の花魁が伝説の化身となる様をイメージしています。
また圧巻なのは、この作品に使われている金魚の数、そして種類です。
皆さんは今までどのくらいの種類の金魚を見たことがあるでしょうか?
会場では皆さんがまだ見たことのない金魚ときっと出会えます。

500年以上も私たちの身近にいる金魚。
身近な金魚が江戸と融合したアートになれば、こんなに麗しくそして華やかになる。
ため息が出るほど美しい世界がここにあります。
近年、江戸時代を舞台にしたドラマや映画が大人気で、江戸時代にタイムスリップしたような世界観に浸りたいと思う方も多いのではないでしょうか。
この会場が作り出す江戸時代に迷い込んだかのような空間で、皆さんもこの夏だけの最高の思い出を作ってみませんか?
■開催日程
【東京・日本橋】会期:7月8日(金)~9月25日(日) 会場:日本橋三井ホール
【大阪】 会期:7月6日(水)~9月5日(月) 会場:堂島リバーフォーラム
【石川・金沢】 会期:9月16日(金)~10月14日(金)会場:金沢21世紀美術館