水噴き銀杏と不思議な伝説
親鸞と対面する場所、御影堂
大工さんの粋な遊び心、「埋め木」をお見逃しなく!
見ていると日が暮れてしまうかも!?唐門の絢爛豪華な彫刻
本願寺にはどうして、おみくじやお守りの販売所がないの?

水噴き銀杏と不思議な伝説
御影堂門から境内に入ると、左側に御影堂(ごえいどう)、右側に阿弥陀堂が見えます。どちらも国宝に指定されています。本堂は阿弥陀堂ですが、本願寺がもともと宗祖親鸞の廟堂から始まったことから、親鸞聖人像が安置されている御影堂(ごえいどう)の方が大きい建物になっています。
御影堂の前には大きな銀杏の木がありますが、樹齢なんと約400年と伝えられ、京都市の天然記念物にも指定されています。根を空に逆さまに広げたように見える特徴的な外見から、逆さ銀杏とも呼ばれ、本願寺に火災があった際、水を噴いて伽藍を守ったという伝説があります。

親鸞と対面する場所、御影堂
御影堂の中へ入ってみました。御影堂は、親鸞と対面する場所でもあり、広い畳の部屋には、荘厳な雰囲気がただよっていました。内陣は親鸞が想い描いていた浄土の世界を再現しているといいます。

堂内には、金箔を貼った欄間装飾や襖絵がありました。
この襖絵は、狩野派の絵師によるものだと考えられています。狩野派は、時の権力者に仕え、金箔地に青色や緑色を彩色した豪華な絵を描きました。
また、この時代は武士や豪商が中心になり、仏教美術が衰退したこともあって欄間彫刻が盛んになりました。

大工さんの粋な遊び心、「埋め木」をお見逃しなく!
御影堂・阿弥陀堂の縁側と2つのお堂を結ぶ回廊には、埋め木という大工さんの遊び心が隠されています。

歩く際、ようく見てみてください。ところどころに、縁起物や動物の形の木が埋め込まれています。埋め木は、木の亀裂や穴を補強するものですが、ただ木で補強するのではなく、動植物や縁起物の形をかたどることで、参拝者を楽しませ、和ませることができればという、大工さんの粋な心くばりが感じられます。

私は瓢箪の埋め木を見つけました。探すとまだまだ違う形が見つかりそうですね。

見ていると日が暮れてしまうかも!?唐門の絢爛豪華な彫刻
唐門は、別名日ぐらし門とも呼ばれ、その絢爛豪華な彫刻は何時間みていても飽きないといわれます。桃山文化を象徴するかのような、華やかな牡丹の花や麒麟・獅子などの動植物が門に装飾されています。

唐門は、書院への正門にもなっています。ちょうど、真向かいに書院がみえるのですが、侘び寂びの静寂な世界と、絢爛豪華な桃山文化が同居したたたずまいをみせています。

安土桃山時代は、絢爛豪華な桃山文化だけでなく、千利休がわび茶を大成した時代でもあることを想いおこさせます。

本願寺にはどうして、おみくじやお守りの販売所がないの?
拝観していて、気がついたのは、境内におみくじやお守りの販売所がないことです。
親鸞は、念仏を唱えて阿弥陀仏にすがれば、悪人ですら誰でも阿弥陀仏の住む極楽に生まれ変われると説きました。阿弥陀仏にすがれば、日々の吉凶を占いお守りに頼らなくてもよいという考えから、おみくじやお守りの販売所がないのです。
また、西本願寺は観光ではなく、すべての人に開かれた信仰の場であるため、拝観料も無く自由に参拝できます。
日本最古の能舞台・北能舞台や京都国宝三明閣の一つ、飛雲閣などは事前に予約をすれば拝観することもできます。
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京都市下京区堀川通り花屋町下ル