コンピューターゲームのない時代のおもちゃたち
皆さんは、小さなときどんな遊びをして遊びましたか?
私の小さな頃は、ビー玉やおはじき、万華鏡で遊んだ記憶があります。これらの遊び道具も、インターネットの発達や時代の流れで目にする機会がなくなりつつあります。
今から、320年ほど前からコンピューターゲームが流通する前の近代の日本の子供たちはどんな遊びをしていたのでしょうか?奈良町からくりおもちゃ館には、今はほとんど廃絶した江戸時代(1603年〜1868年)のからくり玩具を復元し、展示しています。

実際に手にとって遊んでみよう!
奈良町からくりおもちゃ館は、昔の町家に懐かしいおもちゃが展示されています。町家についたら、靴を脱いで、あがりましょう。畳の上におかれたテーブルに、からくりおもちゃが並んでいます。部屋には、スタッフの人がいて親切に遊び方を教えてくれます。からくりおもちゃは、ゲームなどなかった時代に子供達が遊んでいたおもちゃです。竹や木、和紙でつくられた素朴なおもちゃは、昔の人の考えた仕掛けや工夫について、驚きや発見、現代のゲームやおもちゃにない手づくりの温かさを感じることができます。
では、実際に手にとって遊んでみましょう!

うさぎの餅つき
日本では、月には兎が住んでいて、秋の満月の夜にはお餅をつくのが見えると信じられています。これは、兎が餅をついているところを、ひもを使って表現した、からくり玩具の一種です。下のひものついている横木を手にもって上下に動かすと、兎が餅つきをします。

牛若丸と弁慶
次はこちらの玩具。牛若と弁慶は人の名前で、日本に伝わる平安時代(794年〜1185年)の伝説の人物です。乱暴者の弁慶は、千本の太刀を奪おうという悲願をたてて、道行く人を襲っては太刀を奪い、その数は999本までになっていました。あと1本というところで、京都の五条大橋を笛を吹きながら通る牛若丸に出会い、太刀を奪おうとするがとれず降参した弁慶は、牛若丸の家来になったといいます。 この昔話から、つくられたおもちゃで名古屋の郷土玩具として現存しています。牛若丸は、竹弓を左右に動かすと、くるくるまわり、弁慶は、横木を上下に動かすと、長刀を振りかざします。

御来迎
そしてこちら。日本の仏像をみると分かりますが、仏様からは後光がさしています。御来迎の箱の柄の棒を押し上げると、箱の中から後光と共に仏様が現れます。次に、棒を引くと、仏様も後光も箱の中に隠れてしまします。和紙でつくった大きな後光がぱっと開いたり、折りたたまれて小さくしまいこまれるのがみどころのおもちゃです。やわらかい和紙の素材ならではの、からくりといえますね。
その他、たくさんのおもちゃがあります!子供に戻って、昔のおもちゃで遊んでみてはいかがですか?
Map
奈良県奈良市陰陽町7番地