ドイツでお好み焼き屋台に遭遇!
とあるよく晴れた週末、ベルリンのアンティーク品や工芸品のお店が立ち並ぶヨーロッパらしいマーケットの風景の中を散歩しているとどこからか、なんとなく馴染みのある香りがしてきました。まさか・・・!と思い振り向くとそこにはなんと「お好み焼き屋台」があるではありませんか!インターナショナル都市ベルリンとは言え、こんなに偶然にお好み焼き屋台に出会うなんて想像していませんでした。お好み焼き屋台「Samurai Spoon」のオーナーはミュージシャンのShigeさん。ベルリンには4年住んでいるそうで、同じくアーティスト活動をするイギリス人の奥さんKathyさんと一緒にお店を経営しています。
かつお節は「Dancing Fish」!
「ベルリンにお好み焼きがないから」とお好み焼き屋台を始めたShigeさんはとっても面白い方。かつお節を見た事がないお客さんにかつお節の説明をするときは「Dancing Fish!」と説明するそう。(笑)確かに、その視点はなかった!メニューはチーズ、ベーコン、白ごまの選べる3種類。
一番人気のメニューは「チーズ」だそうで、ドイツのチーズは日本のチーズよりも味が濃いのでオススメとのこと。ベジタリアンやビーガン(完全菜食主義者)の人口が多いドイツなのでお好み焼きのだしには魚を使用せず「こんぶ」のみを使用。メニューの白ごまはビーガンの人向けに設定されています。こうした配慮がなされていて、かつ選択肢があることはとても良いことですよね。
多様な価値観によって新たに花開く日本の食文化
「Samurai Spoon」の面白いところ、それは関わっているスタッフがドイツ人、イギリス人、日本、アメリカ、イタリアの混血など多種多様な国籍のメンバーによって構成されているということ。ドイツで見つける日本文化の取材を始めてから気がついたのは、日本文化は日本だけのものではなく色々な価値観を持つ多種多様な国籍の人々によって再発見されたり、彼らのアイデアが混ぜ合わさって常に変化しているということです。例えばお好み焼きで言えば、ビーガン仕様のメニューがあることなどは多くの日本人にとっては新しいことではないでしょうか。こうして第三者によって新しく提案される価値観は日本人でさえ知らない日本の食の魅力を教えてくれます。屋台は毎週末ベルリンのNowKoelln Flowmarktや Mauerparkのマーケットなど週ごとに違う場所で出店しています。お昼時には列ができてしまうほどの人気を博すSamurai Spoonのお好み焼き。お好み焼きが恋しくなったら是非マーケットに足を運んでみてはいかかがでしょうか。
■Shigeさんの音楽レーベル『SMALL BUT HARD RECORDINGS』も要チェック!ひと味違うアンダーグラウンドな音楽やアートを発信しています。