四季と共に生きる、お米の国の民・日本人の神事
大都市・大阪のど真ん中にある住吉大社。赤い欄干が見事な反橋や住吉造りが美しい本殿が有名ですが、毎年6月には田んぼの神さまを祭る田植え行事「御田植神事」がおこなわれます。
田植えに際して音楽を奏で、歌をうたい、踊りや舞を演じ、田や苗に宿る穀物の力を増やす田植え儀式は日本全国でおこなわれます。その中でも、ここ住吉大社の御田植神事は1800年前から伝統を守りながら連綿とつづいてきた日本一の田植えの神事と言われています。
御田植神事は、まずは本殿にて清められた早苗を植女(うえめ)が受け取り、御田に御田植の行列がやってくるところから始まります。御神水で御田を注ぎ清め、植女からの替植女(かえうえめ)へと早苗が授受され、田植えが始まります。
田植えが行われる中、中央の舞台では、飾りを頭に着けた神楽女(巫女)が踊り、武者や子供たちの舞や歌が奉納され、早苗と田んぼに生命力を与えます。
古来より日本人にとって特別なものであるお米は、時代によっては貨幣の代わりになり、戦争や争いの原因になり、神が宿る大切なものとして崇められたりしてきました。お米は日本人の心そのものである、と表現されることもあります。
御田植神事は、日本人にとって大切なお米が今年も豊作であることを願い、古来から神と民とが共同でおこってきた神事なのです。
Map
大阪府大阪市住吉区住吉2-9 住吉大社