お寺めぐりもいいけど、ならまちもおすすめ。ならまち散策に疲れたら、猿沢池で一休み。
奈良にはならまちという江戸時代以降の町家が数多く立ち並ぶ地域があります。
歴史的な町並みの中に、カフェや資料館、和菓子屋さん、料理屋さん…があり散策するには最適の場所です。
ならまちを歩き疲れたときに、ほっと一息いれることのできる場所が猿沢池のほとりです。
猿沢池は、興福寺から歩いて5分ほどのところにある池です。
池の周りにはベンチがおかれていて、興福寺の五重塔と柳の風情ある風景を楽しむことができます。
池の中を覗き込むと、ゆったりと泳ぐ鯉や亀の姿をみる事ができると思います。
実は人口の池
この池はもともと興福寺の放生会のためにつくられた放生池です。
放生会というのは、万物の生命をいつくしみ、捕らえられた生き物を解き放つ宗教儀式です。
放生会は春に行われます。
桶に入れられた金魚に戒めが僧侶により告げられ、般若心経とともに猿沢池に放たれます。
戒は人が仏になろうとするとき、お釈迦さまの教えに入る際に誓う約束ごとのようなもので、般若心経は尊い仏教のお経です。仏教には輪廻の思想があり、すべての生き物に魂がやどると考え、生命を大切にし慈しみます。お釈迦さまは、いきとしいきるものがやがて輪廻をめぐり仏となることができるととかれました。
釈迦と魚
釈迦が前世、流水長者としていきた頃、2人の子供とともに歩いていると水の枯れた池でたくさんの魚が
死にかけているところをみました。長者は魚たちに哀れみの心をもち、20頭の象に水と餌を運ばせ、魚たちに与え、死後、天界に生まれるようにと説法をしました。魚たちは死後、天界に転生し、長者に報恩の華と宝珠をふらせたといいます。魚たちに戒をさずけ池に放つのは、将来仏になるための仏縁を結び次のよき輪廻へ解放する行為でもあるのです。
それにしても、猿沢池では戒を授けられた魚たちが泳いでいるとは、仏教との関わりの深い奈良ではの出来事ですね。
猿沢池
■入場料:無料
Map
奈良県奈良市登大路町