お正月にしては地味!? 江戸時代から定着する『七草粥』とは?
日本のお正月行事のひとつとして知られる『七草粥』。お正月の料理といえば、たくさんの食材を使った華やかなイメージがありますが、これは7種類の若草だけが入った、とてもシンプルなお粥です。中に入っているのは、セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ の7種類。総称して「春の七草」と呼ばれています。ちなみに、スズナとは蕪(かぶ)、スズシロは大根(だいこん)のことをいいます。
【Photo by Hidetsugu Tonomura 】
新しい一年、健康を願って食べましょう!
古くから、七草粥は1月7日に食べるという風習があります。しかしなぜ、お正月にお粥を食べるのでしょう。濃い味付けと豪華な食材づくしのお正月料理に疲れた胃腸を休めるため? という説も聞かれますが、まだ厳しい寒さの残る時期にいちはやく芽を出した若い菜は“邪気を払う”といわれ、その若菜を食べることで新年の無病息災を祈ったのだそう。実際にはこのような、新年らしい思いがこめられていました。
【Photo by hightown99】
この季節にぴったりのヘルシー料理。栄養価も高い“日本のハーブ”
もちろん、お粥は胃腸に負担がかかりにくい、やさしいメニュー。お酒を飲む機会の多い年末年始にはぴったりですね。七草粥の若菜は、日本のハーブといえるもの。セリには鉄分、ハコベラにはタンパク質が比較的多く含まれていて、ビタミンも豊富です。1月7日は今年の健康をお願いしながら、七草粥をいただいてみませんか。