先日「世界で評価される「和食」とごはんの魅力」というレセプションに行ってきました。
そこで3名のゲストの1人、料亭青柳三代目主人 小山裕久氏のお話に感銘を受け、日本食を見直すきっかけになりました。
日本食といえば、寿司やラーメンだと思っている観光客の方に知って頂きたい小山氏のスピーチをまとめましたので、御覧ください。
和食がユネスコ無形文化遺産に
和食は、ユネスコ無形文化遺産になりましたが、登録されたのは、実際の「食」ではなく、「文化」です。
外国の皆さんがよく知られている寿司やラーメンだけが日本食ではありません。
ピザがイタリア料理では無いように。
本来の日本食とはなんでしょう?
神様のレストラン
三重県の伊勢神宮には、日本で一番偉い神様「天照大神」が祀られています。
その外宮の御饌殿では、1500年も昔から365日、一日も欠かさず事なく朝夕二度の食事を神様にお供えしています。
そして、神様は5kmも離れた内宮に毎日食事に来るそうです。
神様のレストランがあるなんて、日本だけではないでしょうか?
神様は、鯛、アワビ、伊勢海老の他にお米が大好きだそうです。
現代の日本人と好物はあまり変わりませんね。
日本食の中心は「お米」
神様の食事も、日本人の食事も中心にあるのは「お米」です。
フランスでは「主菜」という言葉があるように、パンやライスはメインではありませんが、
日本では「主食」と言われるようにお米がメインです。
塩で味付けした鮭や塩こぶ、味噌汁など、すべての日本の料理は、基本的にお米が美味しく食べられるように考えられています。
この「主食」のお話は、日本人とって当たり前のようで、気づいていなかった日本食の本質の部分を教えていただいた気がしました。
以上、小山氏のお話でした。
「一汁三菜」という食事スタイル
小山氏のお話の後に、30〜40年前の日本では当たり前だった食事のスタイル「一汁三菜」を料亭「青柳」から出して頂きました。
献立
飯:ごはん(ひとめぼれ)
汁:海老芋としめじの味噌汁
向付:こんにゃくの大徳寺麩白和へ
焼物:鮭の柚庵焼、揚銀杏、栗渋皮煮
炊合:鶏丸と野菜の煮物
一番美味しい炊きたての「お米」
炊きたてのツヤツヤの「お米」。
熱々で白くて甘いお米を食べるだけで、満面の笑顔になってしまいます。
お釜に水と米をいれて炊くだけで、こんなに甘くて美味しく出来るなんて、マジックのように不思議ですね。
日本人にとっては当たり前でも、海外の方には新鮮ではないでしょうか。
小麦も大麦も炊いただけでは、お米のように食べられませんよね?
とてもヘルシーな調理方法
焼物の器には、鮭や栗、銀杏など秋を感じさせる旬の食材が並んでいます。
煮物は、鰹節とこんぶの出汁が出ており、野菜の美味しさをより一層感じることができます。
このどの料理にも油を使っておらず、とてもヘルシーです。
和食で世界が健康に、そしてハッピーに!と小山氏も言われていました。
本来ヘルシーな日本食ですが、普段の私の食事はメインディッシュに西洋の油を使った料理を用意し、ダイエットのためにと、メインである炭水化物のお米を食べていませんでした。
どこか本末転倒な感じがし、恥ずかしい気持ちになりました。
日本人の「おいしい!」のルーツはごはんに!
和食の素晴らしさを伝えるために25年も前から世界を飛び回っている小山氏。
そんな料理人だからこそ話すことができるお話は、海外の方に、そして無知な日本人の私にも日本食の魅力を、お米のおいしさを再発見させてくれる機会になりました。
あ〜 早く帰って炊きたての白いご飯食べた〜い!
「甘みを引き出すお米の炊き方に驚いた」と話すエリック・トロション氏
千葉の郷土料理「太巻き祭り寿司」の実演をされる龍崎氏
実際に作られた、バラの花と桃の花の太巻き祭り寿司
■ゲスト
料亭「青柳」AOYAGI 三代目主人 小山裕久氏
http://aoyagi-group.jp/
M.O.F.受賞シェフ エリック トロション氏
“Pirouette,” a restaurant directed by Eric Trochon
千葉伝統郷土料理研究会主宰 龍崎英子氏
■主催: 公益社団法人 穀物安定供給確保支機構
http://www.komenet.jp/