仏壇街に突如現れる日本オリジナル建築様式!『本願寺伝導院』

1912年(明治45)に真宗信徒生命保険会社の社屋として建てられたこの建物は、1973年(昭和48)から本願寺伝導院として活用されています。
1988年(昭和63)には、京都市指定有形文化財に登録されました。この建物を設計した異才・伊東忠太と、彼の個性的な建築を紹介します。

2016-08-19   DESTINATIONS, 京都,

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【CONTENTS】
伊東忠太ってどんな人?
妖怪好きと幻獣装飾
周囲の景観とのコントラストが魅力

Dendoin at Hongan-ji Temple

伊東忠太ってどんな人?

1876年に生まれた伊東忠太は、日本初の日本建築史を創始した建築史家・建築家・教育者です。木造が主流だった1908年(明治41)に、「日本建築もこれからは石材や鉄材を使用し、しかもその建築様式は西欧風でも和洋折衷でもなく、木造の伝統を進化させることにより、生みださなければならない」という「建築進化論」を提唱しました。

建築学研究のため1902年(明治35)から3年間、中国・インド・トルコ・ヨーロッパ各国・アメリカを訪問し、そこで、西本願寺の当時の法主であり探検家としても知られる大谷光端に出会います。帰国後に、大谷光端から依頼を受け、1912年に設計したのが後の
”本願寺伝導院”です。

この伝導院をみると、彼が訪れた国々の建築様式と日本文化が融合され、日本オリジナルの建築様式となっているのが分かります。

A sculpture of a cryptid
本願寺伝導院の幻獣彫刻
A sculpture of a cryptid
本願寺伝導院の幻獣彫刻

妖怪好きと幻獣装飾

伊東忠太は、子供の頃からの妖怪好きとしても知られています。「怪奇図案集」という空想の世界から生まれたさまざまな妖怪のイラストを描いて集めた本も出版されています。

彼の建築の世界には、彼が訪れた国々の仏教説話に登場し、神聖な象徴とされる幻獣たちが建築装飾として取り入れられています。この本願寺伝導院の幻獣も、どこの国とも分からないユニークなものです。
日本では龍や鳳凰などの幻獣が有名でしょう。龍は雨や風などの天候を司る神としても信仰され、鳳凰は空想上の鳥で、立派に国を治める王が現れたときに人前に姿を現すと伝えられています。

Street with a Buddhist altar
仏壇・仏具店街

周囲の景観とのコントラストが魅力

本願寺伝導院は、仏壇・仏具店が立ち並ぶ商店街にあります。日本の古い町並みの向こうに見える様々な様式が融合したその建築物は、異彩を放ちながらも周囲の景観に不思議と溶け込んでいるようにも見えます。

Karamong gate
西本願寺 唐門

本願寺伝道院のすぐ近くには西本願寺があり、安土桃山時代(1573~1603)に建てられたとされる絢爛豪華な唐門や、17世紀頃に建立とされ、京都国宝三明閣の一つである飛雲閣(要予約・拝観日設定あり)など、非常に多くの見どころがあります。特に唐門は、たくさんの豪華な動植物の彫刻も見ることができるので、要チェックです。
絢爛豪華な西本願寺の詳細はこちら(http://jp.tadaimajp.com/2016/08/nishi-hongan-ji-temple/)へ。

これらの歴史的な建築物と、伊東忠太が生涯をかけて追い求めた新しい日本の建築様式の形を、それぞれの時代背景とともに考えてみるのも面白いかもしれませんね。

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kyoami

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民具や生活道具、伝統工芸、日本のアンティーク好き。生活の中で生まれた日本人独自のセンスや技術、その背景にある宗教観や由来をさぐります。

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B1のりば9系統西賀茂行
D3のりば28系統嵐山・大覚寺行
C5のりば75系統洛西・映画村行
西本願寺前停留所、下車 徒歩約3分
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