日本古来の宗教観『神道』って何?日本人の性格が分かるかも!

仏教国として知られる日本ですが、仏教が日本に伝来したのは6世紀で、それ以前の遠い太古の昔から日本には、日本人の生活の中に息づいてきた土着の民俗信仰がありました。
その民俗信仰である「神道」と、日本人の生活や文化形成に与えた影響を紹介します。

2016-07-15   CULTURE,

森と神社の鳥居


【CONTENTS】
お寺と神社の違いって知ってる?
どうして神道には教義を書いた、教典がないの?
神社にあるしめ縄のかかった岩や木、これは何?
日本人の生活と自然観
外国の神様とも仲良く共存

鳥居
鳥居

お寺と神社の違いって知ってる?

みなさんは、お寺と神社の違いが分かりますか?神社には鳥居といわれる大きなゲートがありますが、お寺にはありません。お寺の聖職者はお坊さんで、神社の聖職者は神主さんと巫女さんです。お坊さんは、お寺でお経を唱えたり説法することを基本的な仕事としていますが、神主さんは、参拝者に対しての説教は行ないません。神社に仕えて歳時や祈祷などを行い、巫女さんはその手助けおよび神事の場で神楽や舞を奉納します。神主さんが、説教を行なわないのは神道に明確な教義をかいた教典がないからなのです。

神主
神主さん
巫女
巫女さん

どうして神道には教義を書いた、教典がないの?

神道の信仰の対象は、自然崇拝と日本神話に出てくる神様を日本人共通の遠い先祖として崇める、先祖崇拝を基本とした多神教です。最高神は日本神話に出てくる、太陽を神格化したアマテラスオオミカミという女神です。
神道ではすべての物に霊性をみますが、信仰の対象とされるのは、人間の生活に大きな影響を及ぼす人知を超えた智慧や力を持つものに限ります。そこでは、全知全能のただ一人の神に支配されるのではなく、異なるパワーを持つ多くの神々の世界の中で、どのようにその力を借りることができるかという考えが教義の元になります。ですので、神道の考えの実践は、満足に生活をおくるための日頃の行いそのものにあるということなんです。

神社にあるしめ縄のかかった岩や木、これは何?

神社にお参りした時、しめ縄のまかれた大きな岩や巨木をみたことはありませんか?
日本では、神様が宿る神聖な場所にしめ縄をかける風習があります。

岩
岩の依り代
神木
神木の依り代

古代自然崇拝では、太陽・森林・海などからやってくる神霊は、石や木に依り憑くと考えられてきました。神霊が依り憑く対象物を”依り代”といいます。この”依り代”が置かれた土地に、時代をへて大規模な神社が建立されるようになり、参拝場所として親しまれるようになったといわれています。
神社への参拝は、穢れを清めるためのおはらいの方法の一つとされ、”今までの穢れを清めて、心機一転の決意表明をする”意味があります。

古い神社には、古代の自然崇拝の形式を残し、山や巨石そのものを本殿と考え、本殿をつくらずに拝殿から直接自然を拝むところもあります。

日本人の生活と自然観

古代日本人にとって自然は、神であり、祈りをささげる存在として共存するものでした。この自然崇拝から、日本人は木と紙でできた簡素な家を建て、自然と共存することを考えたのに対して、西洋では自然を征服するものと考えて、石とレンガで自然から身を守る堅固な家を建てたと言われています。
また、神道では人間を自然の一部として考え、自然を自分の兄弟姉妹のように大切に扱います。自然は、征服・克服するものではなく、敬服・共存するものなのです。

借景庭園
借景庭園

日本の造園技法に借景というものがあります。上の写真を見てください。庭園外の山や竹林の景色を庭園内の背景としてとりこみ、庭全体をデザインする技法で、前景の庭園と背景の借景を一体化させてダイナミックな景観を生みだします。こういった技法にも、日本人の自然観が現れているように感じます。

外国の神様とも仲良く共存

日本には、仏教だけでなくキリスト教や道教など様々な宗教が伝わりました。
信仰の対象を理由にした大きな争いがおきず、日本独自の宗教共存が可能になった理由に、元々の民俗信仰である神道が基盤にあったことが考えられます。神道は多神教で、様々な神様がおり、一神教のような完全・絶対の真理がなく個々に独特の真理があるため、お互いに譲り合い共存していくという包容力をもつことができたのです。

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kyoami

kyoami

Writer/ Translator

民具や生活道具、伝統工芸、日本のアンティーク好き。生活の中で生まれた日本人独自のセンスや技術、その背景にある宗教観や由来をさぐります。