奈良の職人技に感動!入場無料の『なら工藝館』

なら工藝館は、奈良県の伝統工芸品の中で優れた作家や職人さんの作品を常設で展示している施設です。10月27日から11月3日まで、開催された工芸フェスティバル2015にいってきました。展示室には、各分野の新作38点が並び、また私が足を運んだ日には、秋篠手織と陶芸の制作体験、一刀彫と奈良漆器の制作実演がおこなわれていました。

  DESTINATIONS, 奈良,

一刀彫制作風景


【 目次 】

どんな人がどんな風につくっているの?伝統工芸制作実演

職人さんのつくった工芸品は奈良町のお店で目にする機会がありますが、職人さんは表には出てこない存在。いったいどんなふうに、そしてどんな人がつくっているのでしょうか? 工芸家や職人さんの新作38点のデザインチェックと、そんな私自身の好奇心をみたすべく、なら工藝館に足を運びました。

一刀彫
一刀彫

一刀彫実演
一刀彫実演

カラフルで簡明な木彫り、奈良一刀彫

一刀彫は奈良人形とも呼ばれる木彫りのシンプルな彫物です。奈良は仏教とゆかりの深い土地で、仏像を彫る仏師たちが余技として玩具を彫ったのがはじまりといわれています。
一刀彫という名前のように一刀で彫り進めたような簡明な刀さばきが特徴で、金箔や岩絵の具などで極彩色に装飾されます。奈良らしい鹿や舞楽、ひな人形など作家により作風やモチーフはかわりますが、奈良で親しまれ愛されている伝統工芸の一つとして知られています。
はじめの職人さんのイメージは、70歳近くの男性でした。ところが!実際に制作されていたかたはまだ若い30歳くらいの男性でした。かわいい来年の干支、申の一刀彫を彫っていました。イメージとは裏腹に、次世代の職人さんが活動していることを知る事ができました。

螺鈿説明
螺鈿説明コーナー
奈良漆器実演
装飾用螺鈿を制作中
奈良漆器実演
奈良漆器実演

天平文化の華麗さを伝える、奈良漆器

奈良はシルクロードの東の終着点として、日本文化および伝統産業発祥地として古くから栄えてきました。奈良漆器は、シルクロードを通って日本に到着した漆工芸への影響をうかがうことができます。奈良時代(710年〜794年)の天平文化を象徴する華麗な天平文様が、螺鈿といわれるアワビ貝、夜行貝、チョウ貝などの真珠色に光る部分で装飾されるのが特徴です。螺鈿の他にも、金銀などの薄板を文様に切って漆面にはり、その上を漆で塗り埋めてから、下の文様を研ぎだして表す平文という技法や、金銀の板金を螺鈿と同じように扱う金銀平脱があります。
制作実演コーナーには、螺鈿を説明するために貝殻が制作行程とともに展示してありました。奈良は盆地で海がないので、貝殻をみるのはとても珍しく、その造形や貝の真珠色の部分がひときわ美しく感じられました。海のない奈良では螺鈿が奈良時代から特別な装飾品であったことが想像されますね!螺鈿の発祥は、ギリシャ•ペルシャで、それが奈良にある不思議、また、それを伝えることのできたシルクロードの存在を感じました。

おみやげコーナー
館内併設ショップ

奈良の伝統工芸をおみやげに

なら工藝館では、奈良県の伝統工芸品、奈良漆器、一刀彫(奈良人形)、赤膚焼、墨、奈良筆、奈良晒などの品目の中から優れた作品を常設展として展示しています。併設で、奈良の工芸品を買うことができるお店もあります。また、これらの伝統工芸品の作家さんや工房にはそれぞれ新しい感覚の作品や商品作りに取り組んでいる人たちがいます。奈良の三条通り沿いや奈良町でこれらの商品を見つけて、お土産として選ぶのも楽しいですね。なら工芸館の入場は無料なので、お土産品や奈良の工芸品の参考に気軽に足を運んでみてください!

Map

〒630-8346奈良市阿字万字町1-1

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kyoami

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Writer/ Translator

民具や生活道具、伝統工芸、日本のアンティーク好き。生活の中で生まれた日本人独自のセンスや技術、その背景にある宗教観や由来をさぐります。

Information

Address 〒630-8346奈良市阿字万字町1-1
Hours 10:00〜18:00 最終入館17:30
Price 無料
Close 月曜(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日(土・日曜・祝日にあたるときを除く)、12月26日~1月5日、展示替え期間 
Access 近鉄奈良駅から徒歩7分 JR奈良駅から徒歩15分
Phone 0742-27-0033
Website http://azemame.web.fc2.com/index.html