日本で最も格式の高い禅寺『南禅寺』庭だけじゃない魅力を紹介!

1291年に創建された臨済宗南禅寺派大本山の寺院。日本のすべての禅寺の中でもっとも高い格式をもつ別格扱いの寺院とされます。寺院の敷地内には、滋賀県の琵琶湖から流れる疏水がひかれる西洋風のアーチ橋、南禅寺水路閣が日本古来の伝統建築と融合し独特の景観をつくりあげています。

  DESTINATIONS, 京都,

方丈庭園を眺める観光客


【 目次 】

南禅寺三門

なんと高さ22m!日本三大門の一つ、南禅寺三門

南禅寺境内に入ると、大きな三門が目に飛び込んできます。この三門は、同じ京都府の知恩院、山梨県の久遠寺に続く日本三大門の一つだそうです。三門とは正式には三解脱門といい、仏教修行で悟りに至るために通過しなけらばならない三つの関門を象徴します。三つの関門とは、空(ものごとにとらわれない)、無相(みかけで差別しない)、無作(欲望のまま求めない)をさします。一切の姿形は空であり、比べるべきものは何もなく平等で無相であり、何もないものに望むことなど出来ないために、無作に名誉や地位を期待せず無償の奉仕をおこなうことができるという悟りにいたる心の動きをいうそうです。心して門をくぐりました!

楼上

楼上
楼上で景色を楽しむ人たち
石灯籠
東洋一の大きさ!石灯籠

三門の楼上からの眺めは絶景!

南禅寺三門は、拝観料を払うと三門内にはいり2階にあがることができます。回廊はぐるっと一周することができ、京都の町並みや南禅寺境内をみることができます。ここで写真をとりわすれたのですが、眺めは絶景です!ぜひ、実際に自分の目で確かめてみてください。 また、三門横の石灯籠は高さ6メートル余あり、大きさでは東洋一といわれています。

門横の石灯籠は高さ6メートル余あり、大きさでは東洋一といわれています。

初代住職、大明国師のおしえ

三門をくぐり、法堂から方丈に進みます。方丈の廊下を歩いていると、壁に初代住職の大明国師のおしえが、英文ではり紙されていました。

Do not let past troubles catch in your mind, nor future fears.
Live in this moment, this place, in pure mind without regret, and each day will be a good life.
過去をかえりみて悩まず、未来を思って迷わず、自分が生きているまさにこの今、この一時一処を真実に立脚して悔いなく生きる。それが幸福な人生となる。

これって、簡単そうで難しいことですね!

方丈庭

小堀遠州と作庭

方丈の暗い廊下を進むと、左手に小堀遠州作(1624〜1644年頃作庭)と伝えられる方丈庭園が姿をあらわします。 この人の名前は、日本のお庭を訪れているときによく耳にするので、調べてみました!小堀遠州は、滋賀県に生まれた江戸時代(1603〜1867年)前期の茶人•武将です。書画や和歌を愛し、美術工芸においては茶人として日本の茶陶の指導や中国、朝鮮、オランダなどの海外への茶陶の注文に力をそそぐなど、国際感覚にも優れた人物だったようです。 それだけなく、作事奉公という殿舎の修造や土木事業を司る役職につき、日本の建築や造園の分野で才能を発揮しました。

方丈庭

方丈庭回廊

方丈庭園
大日山を借景にした方丈庭園

後方の山の形とともに味わいたい、方丈庭園

国宝の大方丈の南に面する庭で、庭前の回廊に座り庭をゆっくりと眺める事ができます。この庭園は大日山を背景とした虎の子渡しと呼ばれる枯山水の借景庭園です。石を親虎•子虎に見立て、白砂で川水をあらわし、虎の親子が河を渡っていく様子になっているそうです。借景とは、日本や中国の造園技法の一つで、庭園外の山や竹林などを庭園内の風景に背景としてとりいれ、前景の庭園と背景の自然風景を融合させダイナミックな景観をつくりだす技法です。雄大な大日山のアーチ形の動き、一つ一つの木々の形や石のポジションと高さが計算され設計されていて、自然とかけ離れて生きている現代人とは違った日本人の感性に感慨しました!

小方丈庭園

小方丈庭園

小丈庭園

小方丈庭園は1966年に国宝の小方丈の西側に作庭されました。別名、如心庭ともいい、心字形に庭石を配置した枯山水の石庭となっています。当時の管長柴山全慶老師が「心を表現せよ」と自ら熱心に指導され作庭されたといいます。禅の悟りの世界のようなとらわれのない静寂で執着のないシンプルな心の世界が表現されているように感じました。

六道庭

六道庭

六道庭は、1967年に作庭された六道輪廻の戒めの庭です。六道輪廻とは、天上•人間•修羅•畜生•餓鬼•地獄の六つの世界を命あるものは生まれかわり続けるという仏教の世界観です。悟りの世界をあらわした砂と石だけのシンプルな如心庭に対して、六道庭は木々や岩、苔がおおい茂り、煩悩にとらわれ六道を輪廻する凡人の迷いや心をあらわしているように思いました。

竜図

竜図
障壁画は撮影禁止のため掲載できず

水路

庭だけでない南禅寺の魅力

方丈内部では狩野派の美しい障壁画をみることができます。狩野派は室町時代(15世紀)から江戸時代(19世紀)まで約400年にわたり日本画壇の中心的存在であった職業画家集団です。その時々の権力者と結びつき、大寺院の障壁画や扇面などあらゆるジャンルの絵画を手がけていました。障壁画の撮影は禁止されているので、写真でおみせできませんが、お寺の雰囲気になじんでいて素敵です。 また、近くを琵琶湖疏水が流れ、寺院に向かう途中、水音が清らかに響き清々しい気分になります。本坊の滝の間では清涼の滝を眺めながら抹茶(有料)をめしあがるのも風流でおすすめですよ!

Map

〒606-8435京都府京都市左京区南禅寺福地町

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kyoami

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民具や生活道具、伝統工芸、日本のアンティーク好き。生活の中で生まれた日本人独自のセンスや技術、その背景にある宗教観や由来をさぐります。

Information

Address 〒606-8435 京都府京都市左京区南禅寺福地町
Hours 12月1日〜2月28日:午前8時40分〜午後4時30分 3月1日〜11月30日:午前8時40分〜午後5時
Price 方丈庭園:一般500円、高校生400円、小中学生300円      団体(30名以上)一般400円、高校生350円、小中学生250円 三  門:一般500円、高校生400円、小中学生300円      団体(30名以上)一般400円、高校生350円、小中学生250円 南 禅 院:一般300円、高校生250円、小中学生150円      団体(30名以上)一般250円、高校150円、小中学生 100円
Close 年末(12月28日〜31日)は一般の拝観はできない
Access 地下鉄蹴上駅下車、徒歩10分 市バス東天王町下車または南禅寺•永観堂道下車、徒歩10分
Phone 075-771-0365
Website http://www.nanzen.net/index.html