【ドイツで日本発見!】世界中で墨絵を15年以上教え続けているドイツ人に習う『墨絵ワークショップ』

みなさんに、ドイツで見つけた「日本」をお届けします! このコーナーでは、現在ドイツ・ベルリンに長期滞在中のライターわさびが現地で出会った日本文化や現地で活躍する日本人などを取材し紹介していきます!今回は墨絵アーティストKatharina Hacker(カタリーナ・ハッカー)の師匠であるRita Böhm(リタ・ボーン) がベルリンのギャラリー「Under The Mango Tree」で行った墨絵ワークショップの様子を取材しました。

Wasabi   CULTURE,

ドイツ人墨絵師匠のリタ


【 目次 】

ワークショップ参加者と先生のリタ。

墨絵作品に囲まれて学ぶ墨絵ワークショップ

以前、ベルリンのギャラリー 「Under The Mango Tree」で墨絵アーティストのKatharina Hacker(カタリーナ・ハッカー)のインタビュー記事をご紹介しましたが、今回のワークショップはその彼女の個展期間中に彼女の師匠であるRita Böhm (リタ・ボーン)の指導の元行われました。集まった参加者の多くは展示期間中にカタリーナの展示を通して墨絵に興味を持った人たち。その他にも絵画の経験があり元から墨絵に興味があった人、日本や禅に興味のある人などが集まりました。墨絵の基本としてまずは「竹」を描く事からワークショップは始まり、それからもう少し難しい花や鳥等に移っていきましたが、ワークショップは午前中から夕方まで1日フルで行われたので終わる頃には参加者の顔に気持ちの良い疲れと達成感が表れていました。

ある参加者に何が一番印象的だったのかを聞いたところ、墨絵特有の「筆使い」だったと言います。「絵を描くのに筆を止めたままにしておくことが新鮮でした。新しい経験です。」と語ってくれました。また、ある参加者は墨絵のその奥深さに感動していたようです。

「ニワトリを描く時はニワトリの気持ちになって、ニワトリと一体となるような感覚があります。墨絵はフィーリング、これに限ります。」

生徒の一人が墨絵作品を製作中。

ある生徒の作品

墨絵を教え続けて15年。墨絵マスターRita Böhm(リタ・ボーン)の語る墨絵の魅力

リタ・ボーンは1939年にドイツのライプツィヒで生まれました。彼女はモロッコやフランス、南アメリカへ建築関係の仕事で転勤を繰り返し、ブラジルに行き着きます。20世紀の始め、ブラジルは日本の植民地であり多くの日本人がブラジルへ移住したため日本の文化が流入し、ブラジルでは日系美術が多文化なブラジル社会に参入した背景があります。そんな中彼女はRyotan Tokuda (リョウタン・トクダ)という禅の師匠に出会います。さらに1983年には沖中正男という墨絵の師匠に出会った事で彼女は墨絵の世界に入っていったそうです。ブラジルで日本文化に出会い、ドイツで墨絵を教えるという国境が交錯したトランス・ナショナルな彼女の人生はまさに距離と時間の概念が変わりつつある新しい時代模様を映しているようです。彼女によると墨絵の魅力は「Here and Now(今、現在)」だと言います。墨絵の表現する空白(白い空間と表現した方がいいのかもしれません)は世界を移動し、常に変容する文化の中に身を置くうちに全てが混じり合い、やがて世界は白い空間だと気がついた彼女の人生と墨絵の哲学には数多くの共通する部分があるのかもしれないと、そんな気がしました。

日本の絵はがき画集
日本の絵はがき画集

● Rita Böhm(リタ・ボーン)
彼女の墨絵の紹介本、「SUMI-E」も発売中。

[今回取材にご協力いただいたギャラリー]

● Under The Mango Tree Design Studio + Art Gallery
ベルリンのインターナショナルなアーティストを中心に取り扱うギャラリー 。様々な展示を行うほか、インドと直接やりとりをしながらテキスタイルデザインの請負、製作発注のプロジェクトも進行している。
WEBSITE: http://www.utmt.net/

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東京出身、旅とカオスを愛するフリーランス翻訳家。記事翻訳を通して日々日本と世界の接触点を探っています。ライターとしても、ガイドブックに載っていないわさび視点の情報をお届け!

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