神話めぐりvol.3 国引き

【 目次 】「出雲国風土記」の冒頭を飾る国引き神話は古の人々がつくり伝えた豪壮雄大なノンフィクションドラマ神が拓いたこの地に立ち、その偉大な精神を学ぶ「出雲国風土記」の冒頭を飾る国引き神話は古の人々がつくり伝えた豪壮雄大なノンフィクションドラマ 昔々、出雲の創造神、八束水臣津野命は出雲の国を見渡して「この国は、細長い布のように小さい国だ。 どこかの国を縫いつけて大きくしよう」とお思いになりました。 そこで、どこかに余分な土地はないかと海の向こうを眺めると、朝鮮半島の新羅(しらぎ)という国に余った土地がありました。ミコトは、幅の広い大きな鋤(すき)を使い、大きな魚を突き刺すように、ぐさりと土地に打ち込み、その魚の身を裂いて切り分けるように土地を掘り起こし、切り離しました。 そして三つ編みにした丈夫な綱をかけて、「国来、国来(くにこ、くにこ)」と言いながら力一杯引っ張ると、その土地は川船がそろりそろりと動くようにゆっくりと動いてきて出雲の国にくっつきました。 こうして合わさった国は、杵築(きづき)のみさき【出雲市小津町から日御碕まで】になりました。 その時、引っ張った綱をかけた杭が佐比売山【さひめやま、現在の三瓶山(さんべさん)】で、その綱は薗の長浜になりました。 その後も、ミコトは北の方の国から同じように狭田(さだ)の国【小津から東の鹿島町佐陀まで】と、闇見(くらみ)の国【松江市島根町のあたり】を引っ張ってきてつなぎ、最後に北陸地方の高志(こし)の国から引っ張ってきた国が三穂の埼【松江市美保関町のあたり】になりました。 この時、ミコトが引っ張った綱をかけた杭は伯耆の国の火の神岳【ひのかみたけ、現在の大山(だいせん)】で、持って引っ張った綱は夜見の島(弓ヶ浜)になりました。 そしてミコトは「国を引くのが終わった」とおっしゃって、杖をおつきになって「おえ。」と言われたので、その地を意宇というようになりました。 神が拓いたこの地に立ち、その偉大な精神を学ぶ 「出雲国風土記」の冒頭に語られるこの国引き神話は、数ある出雲神話の中でも特にスケールが大きく、 まさしく神の御業と呼べる内容の物語です。 それ故に全くの作り話と解釈してしまいそうですが意外にもそうとは言えません。 その理由の1つとして、神話に出てくる舞台は、現在の地形や地名と合致する点にあります。 この話の舞台となる出雲地方を地図で確認すると、宍道湖・中海の南側に出雲本土があり、北側には東西に細長い島根半島があり、この島根半島が四つの大きな地域に分かれていることに気づきます。 この地域こそがミコトが「国来、国来(くにこ、くにこ)」と引き寄せた土地であり、杭に見立てた大山や三瓶、綱と見立てた薗の長浜や夜見の島など、その位置関係など神話の内容とぴたり一致するところに驚かされます。 縄文時代、島根半島の部分は海であったとする説もあり、現在の地形が自然現象で出来上がったものだとしても、これを出雲創世の神の御業とした古代出雲人の豪快な発想力には、国をも引き寄せるエネルギッシュさがうかがい知れます。 ※この記事の内容は、出雲のおすすめスポットを紹介するサイト、【出雲観光ガイド】の記事です。 出雲の観光の詳細はこちら (日本語のみ)

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【 目次 】

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出雲市全景

「出雲国風土記」の冒頭を飾る国引き神話は古の人々がつくり伝えた豪壮雄大なノンフィクションドラマ

昔々、出雲の創造神、八束水臣津野命は出雲の国を見渡して「この国は、細長い布のように小さい国だ。
どこかの国を縫いつけて大きくしよう」とお思いになりました。

そこで、どこかに余分な土地はないかと海の向こうを眺めると、朝鮮半島の新羅(しらぎ)という国に余った土地がありました。ミコトは、幅の広い大きな鋤(すき)を使い、大きな魚を突き刺すように、ぐさりと土地に打ち込み、その魚の身を裂いて切り分けるように土地を掘り起こし、切り離しました。

そして三つ編みにした丈夫な綱をかけて、「国来、国来(くにこ、くにこ)」と言いながら力一杯引っ張ると、その土地は川船がそろりそろりと動くようにゆっくりと動いてきて出雲の国にくっつきました。

こうして合わさった国は、杵築(きづき)のみさき【出雲市小津町から日御碕まで】になりました。
その時、引っ張った綱をかけた杭が佐比売山【さひめやま、現在の三瓶山(さんべさん)】で、その綱は薗の長浜になりました。

その後も、ミコトは北の方の国から同じように狭田(さだ)の国【小津から東の鹿島町佐陀まで】と、闇見(くらみ)の国【松江市島根町のあたり】を引っ張ってきてつなぎ、最後に北陸地方の高志(こし)の国から引っ張ってきた国が三穂の埼【松江市美保関町のあたり】になりました。

この時、ミコトが引っ張った綱をかけた杭は伯耆の国の火の神岳【ひのかみたけ、現在の大山(だいせん)】で、持って引っ張った綱は夜見の島(弓ヶ浜)になりました。

そしてミコトは「国を引くのが終わった」とおっしゃって、杖をおつきになって「おえ。」と言われたので、その地を意宇というようになりました。

※Nagahama Shrine enshrines “Yatsukamizuomitsunu no Mikoto” the hero of Kunibiki-shinwa.
長浜神社は「出雲国風土記」の冒頭を飾る「国引き神話」の主人公である
「八束水臣津野命(やつかみずおみつぬのみこと)」を主祭神として祀っています。

神が拓いたこの地に立ち、その偉大な精神を学ぶ

「出雲国風土記」の冒頭に語られるこの国引き神話は、数ある出雲神話の中でも特にスケールが大きく、
まさしく神の御業と呼べる内容の物語です。
それ故に全くの作り話と解釈してしまいそうですが意外にもそうとは言えません。
その理由の1つとして、神話に出てくる舞台は、現在の地形や地名と合致する点にあります。

この話の舞台となる出雲地方を地図で確認すると、宍道湖・中海の南側に出雲本土があり、北側には東西に細長い島根半島があり、この島根半島が四つの大きな地域に分かれていることに気づきます。

この地域こそがミコトが「国来、国来(くにこ、くにこ)」と引き寄せた土地であり、杭に見立てた大山や三瓶、綱と見立てた薗の長浜や夜見の島など、その位置関係など神話の内容とぴたり一致するところに驚かされます。

縄文時代、島根半島の部分は海であったとする説もあり、現在の地形が自然現象で出来上がったものだとしても、これを出雲創世の神の御業とした古代出雲人の豪快な発想力には、国をも引き寄せるエネルギッシュさがうかがい知れます。

※この記事の内容は、出雲のおすすめスポットを紹介するサイト、【出雲観光ガイド】の記事です。
出雲の観光の詳細はこちら (日本語のみ)

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HATSU

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ジャイアンツファンの三重県人。お休みの日はほとんど家にいない、いつも気づいたら、外にいる放浪人。日本の地域と世界がつながるのはすぐそこ!面白い世界を作るために奮闘中。

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