【ドイツで日本発見!その2】ドイツで生け花を教えている小野里衣さんの『生け花ワークショップ』を取材

【 目次 】みなさんに、ドイツで見つけた「日本」をお届けします日本人でもなかなか知らない生け花の歴史フラワーアレンジメントとは違う、生け花の魅力「日本の美的感覚を知りたい」—参加者の声最初は副業で始めた生け花の世界に魅了されて・・・みなさんに、ドイツで見つけた「日本」をお届けします 新コーナー「ドイツで見つける日本文化」では、現在ドイツ・ベルリンに長期滞在中のライターわさびが現地で出会った日本文化や現地で活躍する日本人などを取材し紹介していきます!今回は、過去記事でもご紹介した日本茶カフェ『Macha-Macha』で行われていた生け花教室を取材させていただきました! 日本人でもなかなか知らない生け花の歴史 みなさんは「生け花」ってなんだか知っていますか?生け花とは文字通り、生きている花を摘み取り、新たに飾って花を生かす日本のアートです。講師の小野里衣さんによると生け花の始まりは、その花を美しいと思う事だと言います。例えば桜の花を見ていて美しいと思い、枝を切り取って持ち帰ると花は枝から切り離されて後に枯れてしまいますが、新たに家の中に生け花として飾る事で自然への賛美を表す事ができます。 フラワーアレンジメントとは違う、生け花の魅力 ワークショップが始まるやいなや、先生の小野さんは参加者に向けて生け花の歴史や、その考え方を説明してくれました。生け花が始まった正確な時期は未だに不明だそうですが、およそ500年前以上前に遡るそうで、当時は枝のことも花と呼んでいたそうです。花の色彩だけでなく、枝の形状や飾り方、花の選び方全てを総合して鑑賞するという点で、フラワーアレンジメントとは一線を画すのだそうです。みなさん真剣に先生の説明を聞き、自分の生け花の構想を練り始めました。 「日本の美的感覚を知りたい」—参加者の声 先生の指示に従って参加者は各自で好きな花を選びます。選んだ花を自由に活けている様子はとっても楽しそう。「日本に興味があって、日本の美的感覚を知りたい」という人や「盆栽が趣味」という人までいて、みなさんそれぞれ生け花ワークショップに来る理由は様々です。各自が思い思いのセンスで花を選び、剣山に差す様子はとっても絵になります。花の選択肢は限られているはずなのにそれぞれ個性がにじみ出るのが見ていて面白かったです。 最後に先生が一人一人アドバイスをしながら作品を修正して廻っていました。少しの手直しで作品が見違えるようにあか抜けるのはまるで魔法です。先生ならではの技を見せてもらったような気がします。 最初は副業で始めた生け花の世界に魅了されて・・・ 現在ベルリンに移住して4ヶ月目である生け花講師の小野里衣さん。そもそも生け花を始めたきっかけとは何だったのでしょうか? 「もともと私はアメリカの大手外資系IT企業で働いていました。でも労働時間が過酷な上に外資系特有の世知辛さに絶えきれず、老後の不安を感じるようになりました。年齢を重ねても働ける仕事はないかと考えたところ、生け花、陶芸、盆栽、天然酵母パンが思い浮かびそれぞれ体験教室へ行ったのですが、その中でも生け花が楽しく、結果として続けられたことから今に至っています。」 老後の不安から副業をしようという考えに至るのは、最近では一般的かもしれませんがその選択肢が生け花、陶芸、盆栽、天然酵母パンだったというのは小野さんの視点が面白いと思いました。 「日本で生け花を5年間学び、2年間先生をしました。もともと海外で働いてみたかったし、フリーランスで活動をしたかった。そうしたら必然的にドイツに行くという選択肢が残ったんです。」 また、海外の人へ伝えたい生け花の一番の魅力については、「おもてなしの心、これに限ります。それはきれいに飾る事ですが、デザインとは考え方が違います。例えば桜の花が咲く前に桜を一本活ける事で、それを見た人の間で「あ、もう桜の季節だね」という会話が生まれますよね。そこまで考えて花を選ぶことも生け花の一部と言えます。こういう行為ひとつひとつに込められた思いを伝えて行きたいですね。」 ドイツという日本から遠く離れた異国の地で、日本の文化をその奥深くから伝えようとしている一人の女性の姿を見て、私もなんだか背中を押されたような気がします。 ベルリンにお住まいの方は定期的に開かれる生け花ワークショップに是非足を運んでみてくださいね。 【生け花ワークショプ】 ※詳細は直接小野さんへメールでコンタクトをとってください。 小野里衣 (o_zahir@me.com)

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【 目次 】

みなさんに、ドイツで見つけた「日本」をお届けします

新コーナー「ドイツで見つける日本文化」では、現在ドイツ・ベルリンに長期滞在中のライターわさびが現地で出会った日本文化や現地で活躍する日本人などを取材し紹介していきます!今回は、過去記事でもご紹介した日本茶カフェ『Macha-Macha』で行われていた生け花教室を取材させていただきました!

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日本人でもなかなか知らない生け花の歴史

みなさんは「生け花」ってなんだか知っていますか?生け花とは文字通り、生きている花を摘み取り、新たに飾って花を生かす日本のアートです。講師の小野里衣さんによると生け花の始まりは、その花を美しいと思う事だと言います。例えば桜の花を見ていて美しいと思い、枝を切り取って持ち帰ると花は枝から切り離されて後に枯れてしまいますが、新たに家の中に生け花として飾る事で自然への賛美を表す事ができます。

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フラワーアレンジメントとは違う、生け花の魅力

ワークショップが始まるやいなや、先生の小野さんは参加者に向けて生け花の歴史や、その考え方を説明してくれました。生け花が始まった正確な時期は未だに不明だそうですが、およそ500年前以上前に遡るそうで、当時は枝のことも花と呼んでいたそうです。花の色彩だけでなく、枝の形状や飾り方、花の選び方全てを総合して鑑賞するという点で、フラワーアレンジメントとは一線を画すのだそうです。みなさん真剣に先生の説明を聞き、自分の生け花の構想を練り始めました。

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「日本の美的感覚を知りたい」—参加者の声

先生の指示に従って参加者は各自で好きな花を選びます。選んだ花を自由に活けている様子はとっても楽しそう。「日本に興味があって、日本の美的感覚を知りたい」という人や「盆栽が趣味」という人までいて、みなさんそれぞれ生け花ワークショップに来る理由は様々です。各自が思い思いのセンスで花を選び、剣山に差す様子はとっても絵になります。花の選択肢は限られているはずなのにそれぞれ個性がにじみ出るのが見ていて面白かったです。

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最後に先生が一人一人アドバイスをしながら作品を修正して廻っていました。少しの手直しで作品が見違えるようにあか抜けるのはまるで魔法です。先生ならではの技を見せてもらったような気がします。

講師の小野里衣さん
講師の小野里衣さん

最初は副業で始めた生け花の世界に魅了されて・・・

現在ベルリンに移住して4ヶ月目である生け花講師の小野里衣さん。そもそも生け花を始めたきっかけとは何だったのでしょうか?

「もともと私はアメリカの大手外資系IT企業で働いていました。でも労働時間が過酷な上に外資系特有の世知辛さに絶えきれず、老後の不安を感じるようになりました。年齢を重ねても働ける仕事はないかと考えたところ、生け花、陶芸、盆栽、天然酵母パンが思い浮かびそれぞれ体験教室へ行ったのですが、その中でも生け花が楽しく、結果として続けられたことから今に至っています。」

老後の不安から副業をしようという考えに至るのは、最近では一般的かもしれませんがその選択肢が生け花、陶芸、盆栽、天然酵母パンだったというのは小野さんの視点が面白いと思いました。
「日本で生け花を5年間学び、2年間先生をしました。もともと海外で働いてみたかったし、フリーランスで活動をしたかった。そうしたら必然的にドイツに行くという選択肢が残ったんです。」

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また、海外の人へ伝えたい生け花の一番の魅力については、「おもてなしの心、これに限ります。それはきれいに飾る事ですが、デザインとは考え方が違います。例えば桜の花が咲く前に桜を一本活ける事で、それを見た人の間で「あ、もう桜の季節だね」という会話が生まれますよね。そこまで考えて花を選ぶことも生け花の一部と言えます。こういう行為ひとつひとつに込められた思いを伝えて行きたいですね。」

ドイツという日本から遠く離れた異国の地で、日本の文化をその奥深くから伝えようとしている一人の女性の姿を見て、私もなんだか背中を押されたような気がします。

ベルリンにお住まいの方は定期的に開かれる生け花ワークショップに是非足を運んでみてくださいね。

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【生け花ワークショプ】
※詳細は直接小野さんへメールでコンタクトをとってください。
小野里衣 (o_zahir@me.com)

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